福祉施設のプロジェクトである。

『重い障害があっても、地域の中であたり前に暮らす』ことができる社会福祉法人の理念を実現するべく、施設にありがちな堅苦しい雰囲気をなくし、住宅の延長で生活するイメージを大切にした。

施設は３階建て構成されている。１階は通所施設としてディサービス機能を有し、２階は障害がある方でも安心して暮らせる住居を、３階はスタッフの研修場所としても利用するホールを有する。

外観は、障害を持った利用者が安心して利用できるように住宅の雰囲気を感じさせる外観にしている。街道筋に面する場所であり、格子の開口部や色彩計画など景観にも配慮している。最上階からは、周囲の風景がよく見える開口部を有し、桜が咲く頃には部屋にいながら花見もできる。

この施設が地域に根付き、健常者も障害者も垣根なく共生できる生活の器として計画した。